エンジンがかからない時の対応について

バイクの押しがけをする方法とは

バイクのトラブル件数として非常に多いのが「バッテリーあがり」です。
バッテリーあがりはJAFの年間出動事例の第一位になっており、中でも一般道における過放電バッテリーに由来するケースが全体の20%を占めています。

バッテリーあがりが起こりやすい環境としては、長期間乗らずに放置してしまっていた場合や、バッテリー性能自体が弱くなっていたところで大量の電力を消費する機器を接続してしまったというような場合があります。

完全に電装部分が壊れているという時にはレッカー移動で修理工場に持ち込まなければいけませんが、単純にバッテリー残量がなくなってしまったという場合にはなんとかしてエンジンさえかけてしまえば運転を続行することは可能です。

バイクのバッテリーはエンジンが起動してしまえば内部で発電して電力を利用できるようになるので、バッテリーあがりになってしまったらまずは押しがけをしてエンジンをスタートさせるようにしましょう。

押しがけとは、文字通りバイクを前方に押しながらエンジンをかける方法です。
古いバイクの場合にはキックスターターがあるのでそちらを使ってもよいのですが、ここ最近のバイクはエンジンスタートはスタートボタンによる電動式になっているので、強制的にエンジンをかけるためには押しがけをすることになります。

ただし基本的には押しがけはキャブレター車で使えるテクニックなので、FI車では使うことができない場合もあります。
押しがけができるかどうかは、エンジンスターターを押した時に微かにキュルキュルといった動く気配がするかや、キーを入れた直後わずかでも電気が通る気配があるかどうかで判断します。

逆に言うと完全に電気が切れた状態になっているFI車は、押しがけをして強制的にエンジンをかけてもその後ガソリンの供給をすることができないので走行ができないということになります。

押しがけをするときには1~2速に入れた状態で手動で前に向かって押出し、ある程度勢いがついたところでバイクに飛び乗るようにしてそのままクラッチを切ります。
うまく行けばそのまま低速で走行ができるのでエンジンを切らないようにしばらく走って電気を貯めましょう。

複数の人の手を貸してもらうとより確実

近くに手を貸してくれる人がいる場合には手伝ったもらうと便利です。
手伝ってもらう時には、ライダーはあらかじめバイクにまたがりクラッチを切って2速に入れておきます。

その状態でキーをオンにして後ろから押してもらいしばらく走って自走できるようになったら素早くクラッチをつないでいきましょう。

コツとしては押している途中でエンジンがかかってもすぐにサポート役の人は離れず、バイクが自走できるようになるまで押し続けるということです。