ワンオーナー車という売り文句には要注意

ワンオーナー車とは何か?

中古車販売店で車を探していると、よく見かけるのが「ワンオーナー」という言葉です。
これは「過去に所有者(オーナー)が一人(ワン)しかいない中古車」という意味です。
つまり、前の所有者は新車として購入し、現在ははじめて中古車として市場に出された状態のことなのです。

中古車の場合、車の状態が気になるのはもちろんのこと、前のオーナーが車をどう扱っていたかも気になるものです。
それまでのオーナーが車をしっかり扱っていたか、メンテナンスを行っていたかによって中古車の状態に大きな影響が及ぶからです。
その点ワンオーナー車の場合、前の所有者が一人しかいないこと、前回の所有者は新車で購入したことがはっきりしていますから、複数の所有者を渡ってきた中古車に対してより状態がよく、安心して購入できる面を持ち合わせています。
この点が、中古車店でこの言葉をよく見かける大きな理由でもあります。

ワンオーナー車のメリット・デメリット

この「安心して購入できる」点は、単に「前のオーナーが一人しかいない」ことにとどまりません。
これまで渡ってきたオーナーの数が少なければ少ないほど情報が揃いやすく、また、必要種類などが揃った状態で入手できます。
例えばワンオーナー車は整備記録簿が揃っていることが多く、これまでどれぐらいの頻度でどのような整備を受けてきたかを確認したうえで購入することができます。
しかも前の所有者は新車で購入していますから、購入店からしっかりしたサポート・メンテナンスを受けた上で乗っていたことが多く、こうした記録が残りやすいうえにメンテナンスそのものもしっかりと行われている傾向があります。

さらにもうひとつ、車のオーナーは中古車で購入した場合よりも新車で購入した場合のほうがよりこまめにメンテナンスをする傾向が見られます。
せっかく新車で購入したのだから、よい状態を維持しようという心理が働くのでしょう。
この点からも、ワンオーナー車はよい状態で中古車として市場に出されている可能性が高いのです。

一方デメリットとして注意したいのは、どうしても価格が高くなってしまう点です。
「中途半端に価格が高いワンオーナー車を買うくらいなら、新車を買った方がいい」あるいは「もっと安い、ワンオーナー車ではない中古車の方がいい」と考える方もいるはずです。

また、「当たり外れがある」点も注意したい部分です。
前回のオーナーが本当にきちんとメンテナンスをしていたのか、あまり車に関心を持っていない人なら、たとえ新車で購入したとしても日頃からメンテナンスをしていなかった可能性もあります。
ワンオーナー車は状態が良いものが多いですが、すべてがそうだとは限らないわけです。
この点は実際に車を見てチェックし、整備記録簿がきちんと残されているかどうかなども確認したうえで判断する必要があるでしょう。